第1章 副社長と契約恋愛(1)

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 給料が多く入るようになっても、唯は普段使うものを変えることはなかった。誕生日に奮発して新しい服やアクセサリーを買うことすらない。なので盗まれて困るものはクレジットカードくらいだが、それは唯が財布の中に入れているからか盗られてはいない。 (あ、でも……お財布に入れていたはずのお金が少ない気がしたことはあった……かも……)  気のせいかな、と思っていたが気のせいではない。  とんでもないクズに引っかかった。  一秒たりとも、一矢が住む部屋の空気を吸っていたくなくて唯は回収するものを回収した後、持っていた彼の部屋の鍵を鞄に入れておく。扉の鍵を閉めておく必要はないだろう。
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