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必要とされないことの方が苦しくて、悲しいことだと本気で思っていた。
千歳の人生にとって唯はなくても生きていける存在なのに、求めてくれることがこんなにも嬉しいことだなんて知らなかった。
「道具を使うのは……嫌です」
「はい」
そろりと、股の間にあったものが離れていく。
「千歳さん以外としたくないです」
「はい」
他には、と彼の目が細められる。
「手を繋いだり、頭を撫でて欲しいです」
「はい」
言ってから、唯は手が足りないのではないかと気づいたが千歳は片手だけ手を繋いで、別の手で唯の頭に手を置いた。
「後は……できるだけ痛くならないようにして欲しいです」
「それは……はい」
微かな戸惑いの後、千歳は打ち消すように返事をした。むしろ嬉しそうに頷いている。かなり意地の悪い希望を伝えたのだが、彼は満足そうだ。いいのだろうか、と不安になる唯の頭を優しく撫でると再びサイドチェストからコンドームを取り出す。
しかし、今回は箱ごとだ。箱から中身をすべて取り出すと、彼は一枚一枚切り取って枕の横に置き始めた。
「千歳さん?」
「事前に準備しておきます」
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