第4章 終わりの日(6)

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「ちょっとずつ……動きますね」 「っ……は、はい」  ピタリ、と股の間に千歳のものが触れる。バイブとは違って、触れている箇所が微妙に動く。唯はその時点ですこし気持ちよくなってしまったことを隠すように、しっかりと返事をした。 「痛くなったら教えてください」  千歳は唯が言った通り、片方だけ手を繋いで、別の手は彼女の頭を優しく撫でながら腰を倒していく。  先端が数ミリ、濡れた割れ目に埋まる。 「あ……っ」  思わず身構えてしまうのは癖だった。  しかし、頭を優しく撫でる手に唯はすこしずつ力を抜く。千歳を受け入れる場所を拒まないように意識した。 「千歳さんは痛くないですか?」 「痛くないです。むしろ気持ちが良いので、申し訳ないくらいですよ」  まだほんのすこし入っただけ。それでも目元を緩めて安心させようとする千歳に、唯は怖くても頑張りたくなる。 「唇、噛んでます」  千歳は唯の唇をそっと撫でた。まだ傷にはなっていないことを確認すると、おもむろに自身のパジャマのボタンを外し始める。 「唯だけ痛い思いをするのは嫌なので」
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