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「しばらくは動かないままでいます。また苦しい思いをすることになりますから」
唯の下腹は千歳のものが挿っているせいで、いっぱいいっぱいだった。これ以上ないくらいに引っ張られている。痛みはだいぶ引いたが、またいつ痛みが来るのか分からなくてちょっと怖い。だから全力で腰をベッドに縫い付けている状態だ。すこしの身動ぎさえ怖い。
これで千歳が腰を動かし始めたら死んでしまうのではないだろうか。
唯の目的は達成したが、千歳にとってはここからである。今まで散々、我慢させてきたのだから唯は好きにして欲しかった。でも怖い。すごく怖い。やっぱり怖い。
「私……こんなにいっぱいいっぱいで最後までできるんでしょうか」
「できますよ。挿ったじゃないですか」
「でも、結構きついと思うんですけど」
「このままじっとしていれば、ゆっくり俺に合うような形になりますよ」
「そうなんですか、知りませんでした。千歳さんってやっぱり経験が……」
千歳の謎に包まれた恋愛遍歴を明らかにするべきか、唯は躊躇する。気にはなるのだが、知りたくないような気もした。
「ないです」
「ないですよね、そうで……えっ、ない?」
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