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第1章 副社長と契約恋愛(2)
「これからどうしよう」
唯は盛大な溜め息を吐きながら、肩を落とした。
一矢のアパートを出た後、唯はすぐに自分のマンションを確認した。
幸いなことに、他に盗まれたものはなかった。
だが、このまま同じマンションに住み続けるわけにはいかない。
別れようと言って、一矢が納得してくれるのならいい。
しかし、彼のアパートで聞いたクズ会話からは、あっさりと解放してくれるビジョンが思い浮かばなかった。むしろ、別れるならば遠慮しないとばかりに本性を出して来そうである。
今住んでいるマンションは最低限の防犯機能はあるが、一矢は愛想のいい外面を利用して他の住人と一緒に入ってきてしまいそうだ。
実際、唯は一年間騙されている。
「ああもう、こんなことしている場合じゃないのに……!」
処女を失わなければならないのに、恋人とするどころか恋人を失った。今すぐ誰かと付き合えるほど、社交的ではない。
かといって、アダルトグッズを使って喪失する度胸もなかった。
なら、どうするのか。
唯は勉強机に座り、ノートパソコンを開く。すぐに起動したパソコンに『風俗店 女性向け』と検索をかけた。
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