第5章 全部あげたい(3)

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「もう大丈夫そうですね。ただ……処女のまま三回もメネッカに刺されていたので、昨日は薬を飲まなくても大丈夫だったとしても、一応薬は手元に置いておくようにしてください。まれに、熱が出る人もいるんです」 「そんなことあるんですか?」 「私が直接診たことはないんですけどね。処女を喪失したと思っていたら、膣の中間までしか開いていなかったことがあって、そうなると一旦は発熱しなくても数日後には発熱したって例もあります。他には、膣が狭い人がしばらくは定期的に性行為を行わないと熱が出るということもあって……」 (それなら……大丈夫なのかな……)  散々抱かれたのだ。抱かれ足りない、なんてことはないだろう。 「だから油断しないようにしてくださいね。渡す薬の配合は変えておきます。もしも熱が出たら後できちんと病院に来てくださいね」 「は、はい……」  ないはずだと思いながらも、唯は恐る恐る頷いた。その時はまた採血することになるのかもしれないからだ。 (もう、いいのかな……)  千歳はこの結果を聞いたら、唯の告白を受け止めてくれるだろうか。 (早く帰って来ないかな)
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