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傷心により、何でも頷いてしまった唯はすぐに訂正した。けれど、千歳は寝苦しそうにしている胸元だけでも楽にしようとシャツワンピースのボタンを一つ外す。
その下には千歳が贈ったネックレスがあった。すぐに唯は手でそれを隠したが意味はない。もう見てしまったのだから。
「唯」
ほとんど泣きそうになっている彼女に、千歳は声をかけた。不意打ちに驚きはしたが、さっき見たことは触れないでおこうと唯の熱い頬に触れる。こっちを向いて欲しいと求めるように優しく触れれば、渋々ながら彼女は千歳を見た。
「……病院で検査した時は異常がなかったんです。でも、メネッカに三回刺されても処女だった人は今までいなかったみたいで、膣……が、一回だけだとすこしして狭くなって熱を出す場合があるとかで……う、えと」
しどろもどろに唯は話す。
けれど千歳は、その内容だけで唯が今、どういう状況なのか理解できた。
つまり、しばらく何度かヤッてしまえばいいだけである。
「その……なので、治ったら千歳さんにちゃんと話しますから」
だから待っていてくれるだろうかと、縋るような目を向ける。
「今は、だめなんですか」
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