第5章 全部あげたい(5)

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「あっ……ああっ……ふ、ぁ……ひぃー……」  唯はとろりと股の間に液体が落ちる感触に悲鳴が洩れた。さっきのは何だ。  股の間に落ちたそれを千歳がそっと吸い取り、舌先を使って愛撫する。そしてまた、とろりと落ちた。 (千歳さんの……がっ……)  舌だけでなく、唾液までもが唯を追い詰める。下半身からも千歳の唾液が注がれていくことに気づいた唯は足の指をもぞもぞと動かし、力なく呻いた。  何度も絶頂を繰り返し、ようやく千歳の舌から解放された唯は「疲れるようなことはしない」と言っていた千歳の言葉を思い出す。 (ぜ、全然……疲れ……てるような……)  仕事に出られなくなる、ということはないが精神的にはくたくただった。けれど、下半身は苦しそうに千歳を求めている。  彼はほどよい疲労感を与えられたようだと、ベッド近くに備えておいたコンドームに手を伸ばす。  千歳の舌に舐められた唯の割れ目は自然と横に広がっていた。 「痛みがあったら教えてください」 「は、はい……」  どろどろに熱く泥濘んだそこに、千歳はゆっくりと自身を埋めていく。
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