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「後半分です」
「半分……」
それほど擦ったわけでもなく、半分挿っただけで唯は達してしまった。こんな調子で大丈夫だろうか。
「今夜はゆっくり動くので、後で苦しくなることはないと思います」
「ゆっくり、ですか?」
「奥に当たった時、お腹に振動が来るでしょう。そうならないようにします」
「千歳さんは、動きたいんじゃないですか。もう千歳さんに我慢して欲しくないです」
「俺が我慢しているかどうかは、やってみれば分かりますよ」
千歳はどこか楽しそうに目を細めて、吐息混じりに笑う。お互いが向かい合って横になるように動き、砕けて力が抜けた腰を掴んだ。唯が片足をすこし上げているだけなので、さらに千歳を受け入れる場所は狭くなっている。けれど千歳はそれをじっくりと味わうように腰を前に倒していく。
「ふぁ…………っ」
長く続く快楽に、唯は息が切れる。
「これでやっと全部です」
一旦、彼の腰が止まったのに唯はまだ感じていた。激しく動いた時とはまるで違う種類の刺激は、余韻がいつまでも残っている。
「俺より唯の方が我慢することになりそうですね」
「あっあぁうっ」
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