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エピローグ
「いいのか、あれ」
達也はある一点を見て、千歳に話しかける。社員食堂では唯に話しかけている男性社員が二人。その様子を達也と千歳は、廊下から眺める。
「あれって……話しかけてるだけですよね」
「さっき近くを通ったら、食事に誘ってた」
「その後は?」
「断ってたみたいだけど、何か頑張ってるな」
「社長が近くを通っても熱心に誘うほど頑張っているんですね」
千歳は目元を緩めると、嬉しそうに唯を見つめる。達也の思う反応としては真逆だった。どうしてそうなる。
「嫉妬とかしないのか」
「しませんよ、唯は断っているでしょう?」
「そうだけどさ、不快に思うとか」
自分の恋人が他の男から言い寄られているのだ。嬉しそうにするより、苛ついて自分の恋人だと主張してもおかしくはない
だが、千歳はのんびりと唯を見守っている。
「思いません」
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