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「わぁ・・・。綺麗・・・。」
思わずカティの口から感嘆の声が漏れた。
その途端、次々とカティの周りを光の粒が飛び回り始めた。
『我が主!やっと呼んでくれたのだわ!』
『待ちくたびれてしまったのです!』
『今回は何の御用~?』
ふわふわと飛び回っている光の粒から声が聞こえてくる。
「え?え?この声・・・精霊なの?!」
『主~!!私たちの声が聞こえるのね!!』
『嬉しいのです!やっとお話できるのです!!』
『僕らと遊んでくれるの~?』
次々と降ってくるように声を掛けられて、カティは挙動不審になってしまった。
やれやれ、というリアクションをしたゼンが精霊を窘める。
「こらこら、主が戸惑っているだろう。少しはおとなしくしないか。」
『え~、だって嬉しいんだもん。』
『やっと主と会話出来るのよ?!これがおとなしくしてられるものですか!』
『主!主!たーっくさんお喋りしたいのだわ!』
ゼンが言い聞かせても精霊たちは止まることなく会話を続けている。
「ちょ、ちょっと待って!遊んであげたいのだけれど、先にお願いしても良いかしら?」
『なになに~?』
「あなた達の力を借りて、家の者と連絡を取りたいの。」
『そんなことお安い御用なのだわ!』
そういって、光の粒の1つがカティの周りをクルクル飛び回った。
『主の家の者はどこにいるのかしら?』
「えっと・・・この国のラングレイ公爵家のキール=ラングレイと連絡が取りたいわ。」
『了解したのだわ!ちょっと待ってて。』
精霊がそういうと、カティの前に鏡のようなものが現れ、暫くすると鏡に見慣れた父親の姿がゆっくりと観えてきた。
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