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「カティ・・・!!!!無事なのか?!」
「お父様!」
目の前に現れた愛娘の姿に涙ぐむ父親の姿を見て、カティも涙を浮かべている。
「本当にカティなんだな・・・?」
「えぇ・・・!!紛れもなくお父様の娘、カティア=ラングレイですわ・・・。」
「良かった・・・。本当に良かった・・・。今、どこにいるんだ?そしてこの魔法はなんなのだろうか・・・。」
「話せば長くはなるのですが・・・、現状は安全なところにいるとは言えます。ただ詳細な場所が分からなくて・・・。」
今いる場所は安全だと言えるが、自分がどこにいるのかを把握するのを忘れていた・・・。
ゼンに助けてと目を合わせるが、ゼンもこの場所がどこなのか分かっていないため、無言で首を振るだけだった。
「えぇと・・・観劇のあとに馬車が襲撃されたことはご存じですか・・・?」
「あぁ、使用人がボロボロの状態で屋敷の前に倒れていて、意識を取り戻してから事情は聞いた。」
「良かった・・・彼は無事に屋敷まで戻れたのですね・・・。それで、私の居るところなのですが・・・。」
カティが所在の話を切り出したタイミングで『ジジッ・・・』という音ともに映像がブレ始めた。
「カティ~、そろそろ魔力切れだよ~!!」
「もうちょっとで限界なのですわ・・・!!」
腕をプルプルと震わせながら精霊たちが叫ぶ。
「えっ・・・ちょっと待って・・・!お父様!もう時間がないみたい・・・ひとまず私は無事なのでご心配なく!!!」
慌ててそう伝えると、目の前にあった魔法が弾けるように消えた。
焦ってはいたけれど、伝えたかったことだけは伝えきれたとは思う・・・。
ただ、何も解決には至っていないのも確か。
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