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「最初に聞くべきだったのだけど・・・ゼン、ここは一体どこなの?」
「さっきも主の訴えかけに答えたつもりだったが・・・私は詳しいことはわからぬ。分かることとすれば・・・。」
「すれば・・・?」
「『外界』とは別の領域ということだけだな。」
「『外界』・・・?!え?え?ここは私がいた世界とは違うの・・・?」
「いや、主がいた世界ではある。だが、次元が別ということだ。」
「(世界は一緒で次元は別・・・?私は、一体どこにいるの・・・?)」
ゼンの言っていることに対しての理解が追い付かず、カティは混乱を隠せない。
「我々もここから『外界』に戻る方法は分からないのだ。確かなのは、今の主に危険が及ぶことは無いということ。」
「そう・・・なのね。戻る方法が分からないとなると、どうにか手掛かりを探すしかないか・・・。」
「長いこと森にいるが、今回のようなことは初めてでな・・・。主の力になれなくてすまない。」
「それはしょうがないことだわ。ひとまず・・・ここには色々揃ってはいるようだから、暫くは過ごせそうね。」
気持ちを切り替えて、まずはここで生き延びることを優先事項として、『外界』に戻ることは後で考えることにした。
「ところで、さっきの魔法はまた使うことが出来るのかしら?」
「さっきの通信で精霊たちはだいぶ魔力を消耗してしまったからな。また使うとしても数週間は必要であろう。」
「数週間ね。それなら定期的に連絡は取ることが出来そうだわ。精霊たちには申し訳ないけれど、力を貸してほしいわ。」
カティがそう言うと、か細い声で「まかせて~」という声が聞こえてきた。
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