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そして二週間後。
お爺さんとお婆さんは家へと帰ってきました。
「ハワイ、楽しかったですね、お爺さん」
「まったくじゃ、お婆さん。もうちょっと滞在したかったのう」
「そんなこと言って、家に帰れば『やっぱり我が家が一番』って言うんでしょ」
そんなことを話しながら家の玄関までたどり着くと、二人はとてつもなく異様な雰囲気を感じました。
「なんだか、家の中が変ですね」
「そうじゃのう。不気味なオーラが出てるというか、なんというか」
お爺さんはそっと家のカギを開け、玄関の扉を開きました。
その途端、ブブブブ、とたくさんのハエが家の中から飛び出してきました。
「な、なんじゃ!」
お爺さんは煙みたいな編隊を組みながら塊となって飛び出してくるハエを手で払いました。
「なんじゃ、この大量のハエは!」
お爺さんはハエの大群に驚きつつ、その大群をかき分けかき分け、家の中へ入ろうと一歩踏み出しました。
その瞬間、えげつない異臭がお爺さんの鼻の穴に飛び込んできました。
「ク、クサイ!」
明らかに何かが腐ったニオイでした。
「クサッ!」
後ろについてきたお婆さんも遅れて異臭に鼻をやられました。
なんだ、この腐敗臭は。
お爺さんとお婆さんは瞬時に、旅行前に拾ってきた大きな桃を思い出しました。
「ま、まさか!」
灯りのついていない家の中、目を凝らしてみると大きな丸い塊が鎮座しておりました。
大量のハエがその大きな丸い塊のまわりをブンブンと飛んでいました。
お爺さんは意を決して家の中へと足を踏み入れました。
そしてすぐさま家の灯りをつけました。
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