運命の出会い

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 無心に豆を潰すのがだんだんと楽しくなって来た。 「どんな味噌にしたいかで、豆の潰し方も変わります。滑らかな口当たりにしたければ、形が無くなるまで潰して下さい。少し、歯応えを残したい場合は大豆が残っていても大丈夫です」  頭の中で自分がどんな味噌が好きなのか考えて、思わずシュウの顔が浮かんだ。何だか腹が立って、大豆の粒と一緒に潰してやった。佐々木が、「いい感じですね。もう大丈夫だと思います」と声をかけてくれるまで、一心不乱に大豆を潰し続けていた。 「では、次に米麹と塩を混ぜていきます。その前に、米麹が固まっている箇所を揉みほぐしていきます」  ボウルに入ったほんのり茶色の米麹を指先でバラバラにしていく。子供達も飽きもせずに小さい手でひたすら米麹を掴んでいた。その様子に少し可愛いと思った。 「では塩を入れ、米麹と馴染ませていきます。ビニール手袋をお配りしますのでお使い下さい。底に両手を入れ、下から掬うように混ぜ合わせて下さい」   子供が塩を舐めて美味しいと言い、皆が笑った。 「それでは味噌と米麹を混ぜていきます」  袋から味噌を取り出し、塩と米麹を混ぜたものと合わせていく。
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