わたしのレシピ

運命の出会い

「皆さん、お疲れ様でした。シールをお配りしますので、今日の日付を書いて終了とさせて頂きます」
　皆が温かな拍手を送った。私も疲労よりも達成感の方が強く、楽しみにしていた母には悪いが参加出来て良かったと思った。夢中になって味噌作りをした事で、自分で何かを作り出す事はこんなにも楽しかったのだと思い出せたからだ。
「もし、宜しければアンケートを書いて下さいね」
　渡されたアンケート用紙には味噌作りを機に料理も頑張りたいと意思表明の様な事を書いた。
「次回のお知らせもお渡し致しますね。もし、宜しければご参加くださいね」
　出口の佐々木にアンケート用紙を渡す。
「どうでした？」
「えっと、すごく楽しかったです」
「良かった！　出来上がった味噌で色んな料理作ってみて下さいね」
「はい。有り難うございました」
「レシピに困ったら、私のホームページでも覗いてみて下さい。なんて、ちゃっかり宣伝もしてみました」
　佐々木はチャーミングな笑みを浮かべた。
「はい、またよろしくお願いします」
　私は素直にそう答えていた。今度は、自分の為に色んな料理を作ってみたい。