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「……あれ」
元来た道を戻ってきた。
それにも関わらず、目の前に知らない光景が広がっていた。
いつも歩いている散歩コースだ。自分は少しだけ方向音痴気味ではあるが、近所の道は流石に間違えない。
それ以前に、すぐに引き返した道を見誤るなど、流石に暗い道だったとしてもあり得ないだろう。
「……」
そこには、竹藪があった。
竹が生い茂り、中央に舗装されていない道がある。竹藪の範囲や道の距離は小規模で、よく見ると竹藪や道の向こう側は知った光景が見えた。
「……」
混乱したが、一旦冷静になり、目の前の現象を考える。
現状から鑑みて、竹藪や道が急に現れたとしか思えなかった。それ以前に何があったか思い出せないが、少なくとも、こんな場所があれば印象に残るはず。
「……」
明らかに怪奇現象だ。
暗いのに明らかとはこれ如何に、だが。
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