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恍惚に浸りながら口付けを続け、神の青く発光する背に無意識に爪を立てて縋り付く。
握られた肉茎は滾りきったものを何度かに分けてビクッビクッと放出する感覚はあったが、肝心の精液もやはり細い触手に美味そうに飲み込まれてしまった。
「中がずっと可愛く動いて、私を締め付けている……そんなに悦かったのか?」
唇をこすり合わせるようにしながら、バアルがからかうような言葉を囁く。
「……っはぁ……っ、知らねえよ……いつまでもそんなトコに入ってないで早く出てけ……っ」
息を荒く繰り返しながら、ヴィクトルは紅潮した顔をぷいと背けた。
神が嬉しそうに表情を崩し、しかしきっぱりと首を振る。
「それはまだいけない……これからもっとお前を可愛がるのだから」
「……っ。いたぶるの間違いだろ……ッア」
喋っているうちに急に全身に浮遊感が生じ、ヴィクトルは驚いて首を持ち上げた。
見れば、触手が軽々と自分の身体をベッドから浮かせ、宙に持ち上げている。
「おいっ、ちょっ、降ろせ……っ」
天蓋の下で暴れていると、身体の表裏がぐるりとひっくり返され、同時に両腕が後方に引っ張られた。
すぐに身体はうつ伏せにうずくまったような姿勢でシーツに降ろされたが、両手が腰の後ろでひとまとめに縛られたような状態で、自らの上半身を支えることが出来ず、顔がシーツに埋まるような形になった。
「おい、なんだこの格好は……っ!」
一方的に体勢を変えた相手に怒りをぶつける。
神からその返事はなく、代わりに高く掲げたヴィクトルの剥き出しの尻に音を立てて口付けをされた。
「……!」
唇は徐々に尻の狭間へと移り、やがて人間と同じ柔らかな舌の感触がそこに加わる。
熱っぽく濡れた肉が窄まった後孔を突き、先端で突くように拡げ始めた。
「っやめろばか、汚ねえだろ、この変態っ……ンぐっ……!」
抗議する唇の中にも太い触手が侵入し、えづくほど喉奥まで入り込まれて、とうとう喋ることすら出来なくなる。
「ふふ。これよりも、お前は私の『本物の』舌で、下品に舐められる方が好きか……」
指ほどの太さの触手が神の下腹から伸び、後孔に滑らかな頭を押し付けてきた。
ぐっと尻に力を入れて侵入を拒否していると、ペニスの中を満たしていたものが再び蠕動を始め、狭い場所で蠢き始める。
「っ……ん!」
ニュプッ、ニュプッと茎を内側から犯され、むず痒いような前の快感に神経が集中している間に、一気に後孔を貫かれた。
「んふぅあッ!!」
触手を飲まされたまま悲鳴が喉をつき、高く上げた尻が痙攣する。
アヌスを無理矢理こじ開けた神の一部が中でその頭を開き、ウネウネと悶えながらヴィクトルの内側を無遠慮に舐め回した。
「……んッ、ンン……っ!」
回転しながらざらつく舌がヴィクトルの肉壷の粘膜を縦横に擦り、唾液が中に満ちるとグチョグチョと卑猥な水音が高くなる。
(何でっ、こんな、ことに……)
快楽で恍惚とする意識の中で、ヴィクトルは琥珀色の瞳を見開いた。
競い合うような動きで前後の穴が激しく犯され、どうしようもない性的な興奮でペニスが屹立する。
こんな場所で感じたくないと思う部分を二箇所も責められ、男としての矜持を容赦なく踏み荒らされているのに、身体は従順に受け入れている――。
それを背後の神に知られていると思うと悔しくて堪らないが、悦すぎて狂いそうなほど高まっていく下半身の反応を止めることが出来ない。
「お前の前も後ろも震えるほど悦んでいるな……。私達は相性がいい」
腹を抱きながら神が背中に覆いかぶさり、耳朶を舐りながら甘い声で囁いた。
「太くするぞ……」
言葉と共に、尻を犯していた触手がぐっと太さを増す。
瞬く間に男性自身とほぼ変わらない逞しさに成長したそれに、唾液で満たされた穴がグポッグポッと淫らな音を立てて犯され始めた。
腹の一番奥を突かれると、生理的な反応で孔が引き締まり、深く染み渡るような快感が生まれる。
男に無理矢理犯されたことはあるが、こんな感覚は一度も味わったことがない。
「ンン……っ! んんん!」
汗がじっとりと身体を濡らし、動揺が全身を支配する。後ろを振り向き、視線で抜けと必死で訴えたが、宥めるようにまた肌を締め付けられるだけで終わった。
このまま自分の身体に、新しい未知の快楽を注ぎ込まれる事に恐怖を感じる。
それをされて、またこの淫らな神のことを思い出したり、求めてしまう事が何より恐ろしい――。
だがもう遅かった。
水音を立てて望み通りに触手が抜かれると、ひどい喪失感に尻の奥が疼き、ヴィクトルは愕然とした。
襞を開いた後孔が、もう一度太いもので埋められ、中を舐めまわされる事を望んでヒクヒクと震えている。
「――お前のここは随分私に懐いてくれたな……」
入口の襞を焦らすようにベチョベチョと触手の舌が舐めた。
「んくぅっ、ンン……っ!」
塞がれた喉から漏れるのは最早甘く高い呻きだけで、ビクビクと跳ね上がる尻はまるで切なく男を誘うような動きになった。
神が背後でキュロットの前立てを開き始める。
人間と同じ位置にある凶悪な程太い雄が露わにされ、開いた孔の縁にぴったりとその先端が押し付けられた。
「これが欲しいか……?」
反射的に首を横に激しく振る。
それをされたらもう、後戻りが出来ない予感がする……。
だが神はくすっと喉を鳴らして笑った。
「すまないな……。私には、お前が欲しがっているようにしか見えない……」
酷薄な言葉と共にぐっと尻が掴まれ、熱い肉の杭に後孔が貫かれ始める。
バアルの太いものを中ほどまで受け入れた途端、唇からぬぽっと触手を引き抜かれ、不本意な甘い声が喉奥から漏れた。
「あぁァ……ッ!」
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