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「そういう気ままな旅なら僕とは合わない。次の街で別れよう」
「えっ、なんで。ロロの旅って、そんな崇高な旅なの? 俺、釣り合わない?」
「崇高な・・・・・・」
そう言われると、なにも言えなくなってしまう。ただ、後ろめたいだけだ。前向きで光に向かって旅しているようなリアムと、自ら深い闇の中へ行こうとしている自分とでは向かう先が違いすぎる。
「俺はロロといろんな国を見てまわりたい。ロロも、何処か目的の場所があるわけじゃないだろ?」
「それは、そうだけど・・・・・・」
「じゃあ、目的は違っても、行程は変わらないんでしょ。もし、目的地があるなら俺は道順とかそういうの気にしないからロロのいく先に付き合うよ」
そういって笑う。なにをいっても響かない。ロロの思うようにならない。ため息を吐き出しながら歩みを進めた。朝早くに出発してはいるが、あまりのんびりしていると本当に野宿することになる。別にそれでもいいのだが、初日にいきなり野宿は避けられるなら避けたかった。
「それに、一人より二人の方が楽しいだろ」
「・・・・・・別に楽しさは求めてない」
そこからして違うのだ。ロロにとってこれは、楽しさを求める旅ではない。
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