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「なぁロロ、お腹すかない?」
「・・・・・・別に」
「えぇー。嘘だー。俺、お弁当作ってきたんだ。一緒に食べよう」
なんでそんな用意周到なんだ。そこでようやく足を止めると、リアムは嬉しそうに破顔しロロの手を取った。
「ちょっと」
「こっちこっち。ちょうどこの先に・・・・・・」
リアムに連れられ道を外れ進んでいく。この先に何かあるのか。それを知っていてこのタイミングで声をかけたのか。
リアムの行動は唐突のように見えて実は用意されていたかのようだ。
リアムに引っ張られるままについていくと、木々が開けその先に綺麗な花畑が広がっている。
「あ・・・・・・」
思わず声が漏れる。綺麗な黄色い絨毯が広がっている。こんなところがあったのか。滅多に村から出てこなかった、出たとしても馬車を利用していたロロは知らない景色だ。
「ね、綺麗でしょ。今日は天気もいいし、ピクニック日和だよ」
そう言って背負っていた大きめのリュックの中からシートを取り出し広げる。手招きをされ、仕方なくそのシートに上がると、リアムは次々とお弁当箱を広げる。
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