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「あの場に、俺もいたんだよね」 「え?」  ロロは記憶を辿るが、あの部屋の中にはロロと村長しかいなかったはずだ。 「部屋の中にはいなかったけど、隣の部屋にいたの。俺、村長の家にお世話になってたから」 「へぇ」 「村長に客が来るからって部屋にいるように言われてたんだけど、話してた部屋の隣が俺の部屋だったってわけ」 「そうだったのか」  別に、聞かれていたところで問題はないが、そのせいで今のこの状況が起きているのなら、問題はあったのか。リアムはロロにフォークを渡すと食べよう、と明るく言った。 「そこで、ロロが旅に出るつもりっていうことと、いつ家を空けるのかとか、色々知ったんだ。だから、ちょうどいいやって思って、ついていきたいなって思った」 「そんな勝手な」 「だよね。でも、一人旅ってつまらないじゃん」 「僕はつまらなくない」  こんなはずじゃなかった。ただ一人、静かに最後の時までアナとの思い出に浸りながら過ごすつもりだった。足元が絡め取られ、身動きが取れなくなり、目の前が真っ暗になってもうこれ以上はーー、そうなるまで。  それなのに、まるで照りつける太陽のように明るい場所に無理矢理に引っ張られていくようで居心地が悪い。
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