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目を覚ますと、朝だった。思いの外疲れ、一度も起きることなく朝を迎えてしまっていたらしい。長く寝過ぎて少し痛む頭を押さえながらベッドから降りる。
一時間後に夕食を食べにいく約束をして部屋に籠ったはずが、朝まで連絡もしないままだった。リアムはどうしただろうか。ロロが気に病む必要はないが、それでも多少は気にはなる。
あの時、リアムの提案に了承したのだから、ロロはその約束を破ったことになる。流石にそれは、罪悪感はある。
身支度を整え、気は重いが隣のリアムの部屋を訪ねる。意を決してノックをするとしばらくしてパタパタと足音が近づいてくる。扉越しにも賑やかな人だ。
「あ、おはよう、ロロ」
「その・・・・・・」
「昨日、ずっと歩いてたし疲れたでしょ。ゆっくり寝れた?」
「あ、ああ・・・・・・。朝までぐっすり」
「朝まで? それはぐっすり眠れたね。よかった」
全く不満げでもなく明るいリアムに虚をつかれる。多少なりとも責められることを覚悟していた。自分だったらどうだろう。約束していたのに出てもこず、連絡もない。リアムのように疲れてただろうと、納得できるだろうか。
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