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「きゃはははっ」
広場の近くを差し掛かった時、楽しそうな笑い声が聞こえてきた。少し気になり視線を向けると、噴水ではしゃぐ女の子とその周りに集まる子どもたちの姿が見えた。
綺麗な金色のウエーブがかった長髪を揺らしながら体を翻し、楽しそうに笑うその姿に思わず見入ってしまった。
天真爛漫ーーそんな言葉が似合うその少女は、まるでアナのようだった。髪の色こそ違えど、どことなくアナに似ている。顔なのか、その天真爛漫さなのか。
「・・・・・・アナ」
思わず呟いていた。
「ロロ?」
「え、・・・・・・あ、」
「どうした? 楽しそうだね。ロロも参加する?」
「別に参加したいと思って見てたわけじゃ・・・・・・」
からかわれて思わずムッと返す。そんな子どもっぽい感情を抱くと思われていたのか。
「はー、楽しかった。じゃあまたね!」
見ると噴水が収まり、子どもたちは口々に別れの挨拶をして方々へ散り散りに去っていった。
少女は濡れた髪を縛りながら楽しそうな余韻が残る表情でこちらへ歩いてくる。
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