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 のんびりと歩いていると、草陰からガサガサっと物音が聞こえる。 「うぎゃっ! でたっ!」  後ろから大きな悲鳴と激突される衝撃を感じる。驚いてみると、リアムがロロの腰に抱きついていた。 「ちょっと、なに」 「今、ガサガサって、クマかも! 逃げなきゃ」 「騒がしいな。もう、離して。それに本当にクマなら騒がない方がいいんじゃない」 「あ・・・・・・、そ、そっか・・・・・・」  青褪めた顔でリアムが怯えながら音がしたという草むらの方を見ている。  ロロも少し気にしてみるが、おそらく小動物か何かだったのだろう、クマは現れることはなかった。 「ほら、大丈夫だった。離れて」 「うぅ・・・・・・」  さっきまであんなに上機嫌だったくせに。そこまでビビリでどうして徒歩で着いてこようと思ったのか。大人しく馬車を使えば良かったのに。 「ロロは怖くないの?」 「別に」  別に平気というわけではないが、今はいつ死んでもいいと思っているからかどこか落ち着いている。まぁ、死場所くらいは選びたいと思うから、本当に出てくれば焦りはするのだろうが。
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