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「君は随分臆病者なんだな」
「リアム。・・・・・・リアって呼んでよ」
「・・・・・・リア」
なぜ呼ぼうと思ったのか。気まぐれだろう。しかし、リアムはとても嬉しそうに顔を綻ばせた。なにがそんなに嬉しいんだか。ロロはなんとなく気まずくなって顔を逸らした。
「ていうか、リアの目的はなんなの」
「目的?」
「仕事をクビになったからって言ってたけど、移住先を探すつもり? それとも、次の仕事までの旅行?」
「うーん、世界を見てまわりたい・・・・・・って感じかなぁ。その中で、果たせるなら果たしたいこともあるけど・・・・・・、それは別に」
歯切れの悪い返答だった。あまりこれといった強い目的はないのか。
世界を見て回る。あの村にいるととても狭い世界の中にいる感じがする。外に飛び出していきたいと思う人がいるのもわからなくはない。ロロ自身はそんなこと考えたことがないだけで。
若いものたちは、こぞって外に出ていった。
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