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それも楽な道のりではなかったといわれていた。なにせ超能力を扱う人間がいることを前提にして法律を改正しなければならなかったからだ。それでも特殊な能力を警察官に持たせるという案は結果的には実現された。それは警察官の絶対数の不足と治安悪化という問題が既に見過ごせないレベルになっていたからだった。
「では、具体的な話に移る」
頭の中で考えを巡らせているうちに、話は先に進んでいた。この先は自分にとっても未知の領域だ。
「君たちに身に着けてもらう能力はいわゆる超能力だ」
誰かが唾を飲む音が聞こえた。これから超能力者になれる、そう思えば多くの人間は興味をそそられるに決まっている。
「その能力は、精神力で望むことを実現する、要は超常現象を起こす、というものだ、具体的には精神エネルギーを別の何かに変える、もしくは精神エネルギーで別の何かに影響を与えるというものになる」
ぴんと来ない説明だった。精神エネルギーが他の何かになる、と言われてもイメージが湧かない。
「百聞は一見に如かず、だ、まずは私がやってみせる」
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