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「私は強行犯係、ノックス班のエリー・レインズ、階級は巡査、君が今日からうちの班に配属される新人?」  そう言われた瞬間、自分が刑事になったという実感が湧いた。同時にノックス班という言葉が引っ掛かった。自分の上司は刑事課長のキンバリー・フィスク警部という女性だと聞いていたからだ。 「あの、ノックス班って?」 「うちの班、たぶん君はうちの班の補充だと思うよ」  彼女の答えはあっさりとしたものだった。口でヘアゴムを嚙みながら、後ろ手で栗色のセミロングを一つにまとめてポニーテールを作っている。  もう一言疑問を出そうとしたときだった。さっき自分が入ってきたばかりの扉が開いた。 「おはようございます」  男の清々しい挨拶が部屋に響いた。 「あ、おはようございます、ロイさん」  目の前にいるエリーが入ってきた男に声を掛けた。  振り向いた先には三十代前半くらいの男がいた。濃紺のスーツの上下にダークグレーのネクタイをつけている。黒髪は短く切り揃えられており、刑事というよりはそこら辺にいるやり手のサラリーマンといった感じだ。 「おう、おはよう、当直お疲れさん」
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