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その後も、お兄さんが予言した通り、謎の数字は数日おきに着々と増えていった。
だけど、数字の列が増える日にちの法則も分からずじまいだ。
11100
12011
22112
あの数字は、いったいなんなのだろう?
女子高生たちの会計を捌く間も、
「合計で888円です。112円のお釣りです。ありがとうございます」
「ねーぇ、お姉さん、ポール・ナッツのキャラメルないの?」
「申し訳ありません、次の補充の時には来ると思うんですけど」
「ええー」
お兄さんが本を片手にレジを去る時も、
「親子丼の温めお待たせしましたー。ありがとうございました」
「ありがとうございます」
ガテン系のおじさんにタバコの売り切れを平謝りしている時も、
「おねえさん、タバコ。いつもの」
「あ、すいません、本日その銘柄の出荷が遅れてて……」
「ちっ、じぁあいいよ」
「申し訳ありません」
研究者風をした眼鏡の先生のドリップコーヒーをレジ打ちしている時も、
「カフェラテのサーバー、この時間はいつも清掃中ですよね。清掃の時間変えてもらえないんですか?」
「え、ええと……そういうことは店長が決めるので……すみません私からはなんとも」
陳列された商品の期限をチェックしているときも、
「あ、賞味期限チェックしよろしくー」
「はいー」
あの数字のせいで気もそぞろだった。
それにしても、夏は冷たい商品が飛ぶように売れる。アイスは定番だけれど、やっぱり冷やし麺系と清涼飲料水は一瞬でなくなってしまう。逆に、夏に売り上げが下がる商品は賞味期限のチェックも慎重になった。
「お疲れ様でしたー」
今日のシフトを終え、コンビニ裏の駐車場に回る。
11100
12011
22112
32123
やっぱり増えてる……。
次の日もバイトなんだけど、もしかして休んだ方がいいのかな。
近いうちにコンビニがなにか危険なことに巻き込まれることを考えると、夏の夜の寝苦しさもあいまって、なんだかうまく眠れなかった。
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