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#2 後輩から
「座ってよ」の言葉を十和子は無視をしてカバンの中を弄る。終いには見つからないのかついにはカバンを下ろして地べたに置いて大きく口を開けて中を覗き込んでいる始末。
(もういいわ)
(信じられない)
(何をそんなに必死に!)
あたしは言葉を飲み込む。
全ての言葉を吐いてしまえば勘違いをされかねない。
(もういい)
(バスくるまで無視するから)
(十和子が悪いんだからね)
バス停の中は外の周りよりは幾分か温かい。若干程度に。
携帯で漫画の続きを見ようとアプリを開いた。と。
「あった!」
大きな声が十和子の口から漏れ出た。
あたしは聞かなかったことにして漫画の続きを見始めた。と。
「パイセン。こ、れ」
すすす、と携帯の上に携帯程の正方形の包装紙の箱が差し出された。あたしはそれを受け取った。するとそこにはすでに終わったイベントの名前が書かれている。無視を決め込む予定だったけどあたしはツッコむことにした。
「何よ。これは」
【ハッピーバレンタイン!】
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