2/2
0人が本棚に入れています
本棚に追加
/2ページ
「飛鳥」 「あー?何ぃー?」 「千キャベ作るなら半分分けてやる」 「お!まじで?!全然作る作る!サンキュー、万鳥!」 「…名前呼ぶな」 「良いじゃん!格好良いのに、マトリ」 ウキウキと千キャベを作る飛鳥。 仕方なく俺は鳥ちゃんラーメンを半分器に移す。 足りないから、ついでにおにぎりも作った。 「はぁー!旨そう!!食欲そそる匂いだよなぁ…」 「頂きます」 男2人、向かい合って鳥ちゃんラーメンを啜る。 飛鳥のせいでちょっと伸びたけど、気にならないくらい安定の旨さだ。汁に浸かった千キャベの歯応えも良い。 鳥ちゃんラーメンを食い尽くし、おにぎりを齧る飛鳥が言う。 「…万鳥はおにぎりだけは、上手いよなぁ」 「フン」 「褒めてんのにー、マトちゃん?」 「チッ」 「舌打ちかよ」 クスクス笑った飛鳥が立ち上がる。 「餃子食べる人ー?」 「……」 無言で手を挙げる。 「はいはい」 冷凍庫の中を探す飛鳥のガサガサ音を聞きながら、鳥ちゃんラーメンを啜る。 「旨…」 外はまだまだ雪が降っている。 明日は休みだと良い 遅寝早起き万年睡眠負債だから、たまには飛鳥もゆっくり寝られれば良いのに。 なんて、言ったことは無いけど。 「旨…」 鳥ちゃんラーメンに、餃子の焼ける音と匂いは最強だな、なんて呑気に思った、休日の夜。
/2ページ

最初のコメントを投稿しよう!