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結露を拭いて、窓から外を見る。 一面グレーの重たい空からは、ゴミのような雪がずっと降り積もっていた。 明日は電車通勤だな けたたましい音が響いて、慌てて走る。 コンロの火を消した。 お湯が沸いたやかんからは湯気が出ている。 ワクワクと鳥ちゃんラーメンの蓋を半分開けて、お湯を注ぐ。 食欲をそそる、良い香りが広がった。 いそいそとコタツに運ぶ。 コタツにみかんに、鳥ちゃんラーメン。 俺の冬の定番。 Siriにタイマー3分を言いつけたところで、玄関が開いた。 「クッソ寒みぃ〜!!」 鼻と耳を真っ赤にして帰ってきた飛鳥は、目敏く俺を見つけると、 「うわっ!ずりぃ!!オレのは?!」 と途端に騒ぐ。 「…無いな」 「えー!!」 ブーブー言いながらコタツに入って来た。 「おい」 「何?」 「手洗って来いよ」 「え〜、もう出れねぇよ」 スーツでいつまでもいられねぇだろ? 「おい、蹴るなよ!」 「……」 「痛ぇって!それが、寒い中働いて来た人に対する仕打ちか!?」 「……」 「……なぁ」 「何?」 「本当にもうねぇの?」 「無いな」 はぁ〜、と盛大なため息。 「何でだろうな?」 「何が?」 「無いとわかると、余計に食べたくなる」 「…知らね」 「クソぅ…共食いめ」 恨めしげに見られても、無いものは無い。 「…お前もだろ?」 「オレは鳥ちゃんラーメン無いもんねー…はぁ、虚し」 よいしょ、とコタツから抜け出て洗面所へ歩いて行く飛鳥。 …チッ、仕方ない Siriが3分をお知らせした。
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