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『へぇー二人共、保育士さんなんだ』 『日々チビっ子達と格闘よぉ〜ヘロヘロ』 『その子達が羨ましいな。毎日こんな素敵な先生達に会えて』 道理で健康的なメイクと体つきだと思った。 探り合いの会話の端々から察するに、千香子という客の方が積極的。 咲楽と名乗った方は、初め饒舌に店の感想を口にしていたが、その後は静かに酒を飲んでいる。 『ねぇ、今回うちに来ようって言い出しのは、どっち?』 『私!ワタシ!』 千香子が答える。やはりと守の中で合点がいった。 『もう、聞いて〜』 そこから職場の愚痴を、彼女は滔々と語り始めた。 世間がこんな事になる前から常日頃、衛生には十分留意してきた。今も自分達は気を遣って頑張っている。なのに不安な気持ちを攻撃的にぶつけてきたり、過剰な要望を出してくる保護者達がチラホラ出現してきた事。 大人の事情は子供達には関係がないと頭で分かっていても、明るく優しい先生の顔を維持するのが段々ツライなど。 憤慨する度に酒を空けるので、千香子の呂律は段々怪しくなっていった。 『千香子先生、そろそろ』 咲楽が身を乗り出し、千香子の前からグラスを遠ざけた。
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