7人が本棚に入れています
本棚に追加
守の求愛行動とも呼べそうな態度は、店内外で示された。
咲楽の仕事終わりにSNSで労われたり、休日デートに誘われたり、人の心を掴むにはかくあるべきというマメさだった。
なんで?
私が?
と思う疑念も、彼が時間を割いて私にくれる言葉の数々によって、溶解していった。
それでもホストに対する偏見が、少なからず私の中にあった。
遊び慣れてるのでは?
浮気するのでは?
お金にだらしないのでは?
と様々な不安で、付き合うことを躊躇している私にマー君は、
『それってホストだけに限らないよね?
普通のリーマンだって金にルーズな奴もいるし、先生やマイホームパパやってたって、援交や不倫する男いるでしょ?』
真摯な目をして説いた。そしておもむろに私の手を取り、
『仕事柄スキンシップが全く無いとは断言できない。でも俺自身が欲情して触るのは、咲楽だけだ』
そう言って指先にキスをした。
もう!そんな風にされたら!
結局、付き合うまでは胸中紆余曲折したが、恋人同士になってからは、結構早い段階で結婚を決めた。
最初のコメントを投稿しよう!