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彼と一緒に婚姻届を出しに行った日、夜景が綺麗なホテルの最上階レストランで食事をし、泊まった。
婚約期間と呼べる時期がなかったに等しいので、マー君は結婚指輪を奮発した。遠慮する私に記念だからと聞かなかった。
驚きのお値段のソレは、勤務中嵌められない。いつもチェーンに通したネックレスとして身につけてる。
「ふふっ」
ソファに座る咲楽は、片方の手をお腹に置き、もう片方で指輪をつまむ。
あの時、守が演出した余りにベタなシチュエーションを思い出し、笑う。
ラグジュアリーホテルに、一流レストラン。
鮮やかな花束と、ハイブランドの指輪。
『これでやっと夫婦になった。これからずーっと宜しくね、奥さん!』
そんな感動的な言葉を、若干タレ目なおさな顔で言われ、こそばゆくて思わず笑ってしまった。
『もう!マジなのに〜』
二人テーブル越しに笑い、戯れ合った。
その晩お互い上に下にで睦み合い、咲楽は気持ち良さの余り失神した。全身の血流が一カ所、守と繋がっているところに集中している感じだった。
『…今夜は、良いよね?』
そう言って彼は射精を繰り返した。直に擦れ合う感覚は、今までとは全く違う快感を咲楽に運んできた。
彼女は、薄皮一枚でも護るべきものがない無防備な状態。
汗が滴り落ちるのも構わず腰を振り、何度も穿ち注ぎ込む彼。
守はまるで、ようやく手に入れた土地を荒らし回る独裁者の様…咲楽は絶頂と共に、初めて怖いと思ったのを覚えてる。
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