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「う~ん、コレ必要?」
旅行用鞄を前に、咲楽は頭を抱えた。
近郊で一泊二日。
夏なのと妊婦で汗かきやすくなったとはいえ、小さな鞄一つで収まる。快適な車での移動だから、余計な衣類は要らない。
しかし、咲楽を悩ますのは『コレ絶対持っててね』と守から渡されたモノ。総レースのキワドイ下着。
『凄いんだよコレ、全部ハンドメイドなんだって』
旅行が決まって早々に押し付けられた。
ヤバイ、変態でしょ…この作り手。
咲楽は指でつまみ上げて、嘆息する。
真っ白よりアイボリーがかった上品な色合いと、滑らかな上質糸で誤魔化しているが、デザインがエグい。
「マー君こんな下着、私には似合わないよ…」
咲楽は子どもの頃から色黒で、発育が良かった。主に身長の方に栄養がいき、裸足でも守より咲楽の方が高い。
可愛い、
女子力高めなモノに、
幼い時からコンプレックスを抱いてきた。
徐々に守が取り除いてくれたが、やはり抵抗感はある。
それに前よりお腹が目立ってきた気がする。今更勝負下着で守の前にたっても、その気にならんでしょ?!
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