或る男2

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或る男2

「戸塚の情報が新しく入りました。」 「なに!?報告を頼む。」 「はい、戸塚の親から話を聞こうと捜査をしていたところ両親ともに既に死亡、また親族とも絶縁状態にありました。戸塚は高校卒業まで児童養護施設で育っております。」 「その児童養護施設に話を聞きに行こう。」 「了解。」 「信吾は感情に乏しい子だったねぇ。5つになる頃に親の死を目の前で見てから無感情でね反応も薄いし関心もほとんど持たない子だったねぇ。」 「幼い頃に何か熱中していたこととかありましたか?」 「うーん、特に部活とかはやってなかったけど…でも学校終わったら帰ってきて施設の子の面倒を見たり手伝ったりしてくれてたから人を殺めるような子じゃないと思うけどねぇ…施設を出てから連絡がなくて…」 「そうですか…協力ありがとうございます。」 「それで、何か分かったことは」 「施設の職員さんによると戸塚は5歳の頃両親の死を目の前にしており、施設に来た頃に感情に乏しく反応も薄かったようです。特に熱中していることもなかったそうです。ただ職員さんによると子どもの面倒を見たり手伝いなどをしたりと犯行に及ぶような人間には思えないそうです。」 「そうか…一層どうして罪を重ねるのか分からなくなってきたな。何が戸塚を動かすんだ。」 「戸塚の関係者を調べるよりも戸塚自身を探した方がよいと思われます。これ以上関係者を洗いざらい調べても事件は解決に近づかないかと」 「同意見だ。これより、容疑者、戸塚信吾本人の捜索に取りかかる。戸塚を見つけ次第、すぐ応援と連絡を。」 「了解!」
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