回顧録・前半

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 大学生の頃にはノイズミュージックを愛していたが、ライブハウスには近寄らず、もっぱら自宅で誰にも邪魔されることなく聴き込んだ。生活費は大学の研究の手伝いでもらえるので、何とかは出来た。  学生にしては無理をして音大生が暮らすようなマンションを選んだが、それでも声に悩まされた。壁に板を更に打ち付けて防音を重ねても飛び込んでくる。家でもノイズミュージックとヘッドホンが欠かせなかった。眠るときすらヘッドホンを外そうとしなかった。
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