思わぬ事態

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思わぬ事態

「腹減ったな」そう思った時、友達からLINEが来た。 「暇?ご飯でも食べに行かない」 仲良くしている友達なので「了解」と返した。 いつも御用達にしている店で待ち合わせる。 先に友達が来ていた。 「あれ、お前一人?」 「うん。君だけに話があって」 「えっ。そうなの」 僕は驚く。 友達に笑顔がない。 何か、重苦しい雰囲気だった。 僕はメニューを見る。 その時「あのさ」と友達が話して来た。 僕は友達の顔を見る。 「俺……」と言いながら、友達は僕の顔を見た。 「どうしたの?」 「俺、お前が好きだ。付き合いたい」 唖然とした。 思いもしない事が起こった。 今まで、告白されたらどうしようと考えた事はある。 ただそれは、異性からと言う想定であり、同性からは想定していない。 僕はどう答えたら良いのか? 迷ってしまう。 僕はこいつの事が好きだ。 好きな人に「好きです」と言われてるから、こんな嬉しい事はない。 だけど、恋愛対象とはちょっと違う。 「やっぱりダメか?」 友達はそう言ってくる。 嫌じゃないけど、ちょっとおかしい。 僕は異性の方が……。 その時、僕は彼と裸で抱き合っている姿を想像してしまった。 僕は頭を抱え「うゎーー」と大声を出しながら、店を後にした。 僕は走った。彼から離れたくて、走り続けた。 胸が高鳴る。 「何だこの気持ちは」と呟く。 その時思った。 もし、僕が女だったらな……って。 (完)
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