私は蟻だよ

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結局あれから嘘の告白については触れなかった。いつも通り下校して、メロンパンを食べる君を眺めていた。  そして引っ越しの当日。俺はおじさんに感謝を言い、荷物をまとめて玄関を出た。  東京に行くバスを待つため、バス停の目の前の公園で時間を潰していた。一時間後だし。  凛には一応出発時間と場所を伝えておいた。彼女は来るのかな。 「あの嘘は言うべきじゃなかったかもな」  俺は少なくなってきたセミ達に言葉を吐いた。  三十分経っても彼女は来なかった。  その時だった。 「おーい!」  近所のおじさんが手振ってこっちへ向かってくる。  おじさんの話によると、昨晩山で土砂崩れがあったようでバスが運行できなくなったらしい。  しばらくは東京へは行けないとのこと。    今日は触角が生えそうなくらい暑いから、俺はいつものコンビニに足を運んだ。
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