豆まき

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今は、しーんとなった部屋の中でわたしはため息をつく。 旦那の激務は変わらない。 年老いた両親は、あの日のように気軽に我が家まで 来ることができない。 子どもたちは大きくなって、それぞれの世界を持っている。 それは、とても当たり前のことで、そして、少し寂しい。 子どもたちが小さい頃は、一人の時間を持てる日が 待ち遠しかった。 それなのに、本当に一人の時間が出来てしまうと、 もてあましてしまう。 よし、この子にしよう わたしは、一番大きなひよこのぬいぐるみに鬼の面をかぶせると ピンクのめんだこの足に豆を持たせて投げる真似をさせた 「鬼は~そと~」 「鬼は~そと~」
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