プロローグ

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プロローグ

 ꕤ ꕤ ꕤ  曾祖父(ひいじいちゃん):雪原(ゆきはら) 豊作(ほうさく)、元・警視庁警視総監。  曾祖母(ひいばあちゃん):雪原 トミコ、元・埼玉県警察本部 総務部会計課 主任。  祖父(じいちゃん):雪原 満作(まんさく)、元警視庁刑事部捜査第一課所属 SIT隊員→元SPI。  祖母(ばあちゃん):雪原 千夏(ちなつ)、元・警視庁交通総務課 交通安全教育係 巡査長。  父(パパ):雪原 大作(だいさく)、元・警視庁刑事部捜査第一課所属 刑事。  母(ママ):雪原 菖蒲(あやめ)、元・警視庁刑事部捜査第一課所属 女刑事。  愛犬:(あさひ)、元・警察犬。  ・  ・  ・  そんな代々警察一家に生まれた私の将来の夢は、もちろん〝刑事〟になることだ。 『母のようにクールでクレバーに』 『ときには父のように熱く誠実に』  いつか私も、偉大な両親や先代たちのように名実ともに旭日章を背負い、弱きを助け強きを挫く立派な刑事になりたい――。  そんな想いを胸に。  幼い頃から弛まぬ努力と鍛錬を続けてきた私は、今春より都内にある超名門エリート私立高校『(すめらぎ)学園』に進学する。  皇学園といえば、選ばれし超富裕層、あるいは社会的地位のある優秀な家系の子息息女のみが入学できるという、一流のお坊ちゃま&お嬢様学校。  早くに両親を亡くし、唯一の肉親であるじいちゃんに引き取られて育ってきた、あくまで一般市民の私には一見無縁にも見える学校(せかい)だったけれど、その裏には複雑な運命が絡み合っていることなど入学当時は知る由もなくて……。  全ては、入学を薦めてくれたじいちゃんの期待に応えるため。    果ては、夢である〝刑事〟になるため。  桜舞い散る四月の上旬、私・雪原 椿(つばき)は、超名門エリート私立高校『皇学園』の正門を颯爽とくぐり抜けたのだった。
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