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「嘘などと。そんな下品で低俗な真似なぞ、わたくしのプライドと美意識に関わりますわ。女子に二言はありませんですのことよ」
「わかった」
「OK。では、契約成立ですわ。龍源寺、お会計を」
「ははっ」
素早く歩み寄り、ワゴンから板チョコの袋を持つとそのままレジへ一目散に走っていった。
その素早い行動を満足げに背中を見送った。
「あなた、お名前は?わたくしとここまでやりあうとは見事なお心持ちですわ。大概の方は、わたくしの外見を見ただけて、臆して逃げ出してしまいますのに」
「え、まあ、普段から見慣れているというか…なんというか。身近にあなたみたいな感じの知り合いがいるので」(ちょっとパパのことだって言えないかも…同じ匂いのする人が2人になったら、手に負えないし)
「まあ!そうですの!?ぜひ、お近づきになりたいですわ」
「あははははは😅」
少女の顔から血の気が引いた。愛想笑いを浮かべつつ、悟られてはならないと思った。
早く話を別な方向へ向けなければならなかった。
「私、伊達凛香って言います」
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