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「あら、かわいいお名前ね。わたくしは萩尾那尚よ。よろしくね。凛香さんって呼んでいいかしら?わたくしのことは、平仮名で「ななお」と呼んでくださいませね」
「音にしたら変わらないんじゃ?」
「いいえ。大きな違いですわ。名前には魂が宿るものですものん。大切にしないと」
「はあ…」
「凛香さん、もし、お時間があれば、ご一緒にわたくしの家に来ません?ここから近いし、お茶でも飲みながらお話ししませんことよ。チョコレートの折半もしなければなりませんし〜」
「はあ…そのまま誘拐して、外国に売り飛ばすなんてしないですよね?」
「うふふふ。おもしろいご冗談ですわ。わたくし、あなたのことがとても気に入りましたぁ。何でしたら、あなたの親御様にこちらからご連絡をさしあげたほうが、安心ですありんすか?」
「それをしちゃうとかなり面倒なことになるのでいいです。1時間くらいなら、お付き合いできます」
「うれしいわ。じゃ、正面に車を回させますわね。龍源寺、」
「はははっ」
「と、いうわけでよーろーしーくーね。ブツは?」
「こちらに」
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