先生、恋ってなんですか?

14/21
前へ
/79ページ
次へ
意気込んで街コンなんかに申し込んでみたものの、一人参加ってやっぱり浮くよねぇ。 サイトにはお一人様歓迎ってなってたけど。 そりゃ、大体みんなお友だちと来るよねぇ。 そうだよねぇ。 そう思うとひとりで参加している自分は友達いません!と、宣言しているようなものだな、と考える。 けど、ここでは事実そうなんだから仕方がないのだ。 “お一人様”も、25歳になれば、いろんなシーンで普通にあるわけで。 気にしないことに決めた。 あー、可愛い子がいるなぁ。 あの人は無表情だけどカッコイイ。 その横にいる兄ちゃんはチャラそうだな。 来ている人を物色していると、ダスン!と、すぐ後ろで大きな音がしたので思わず振り返った。 街コンには珍しい、デニムパンツにシンプルなVカットのセーターを着た黒髪セミロングのお姉さんが咳払いしていた。 今のはあの人か。 慌てて咳払いって、なんか、可愛い人だな。 向き直って、再びぼんやり。 時間が過ぎるまで、することがない。 先生と過ごすと時間はいつもあっという間なのに。 私いつからこんなに自分で立てなくなってしまったんだろう? 気づけば先生のことを、考えてしまっている気がする。 こんなんじゃ、ダメだ。 ほどなくして、街コンがスタートした。 一人参加の人には、一人参加の人が寄ってくるのがセオリーなのか、ちらりちらりと話しかけられては楽しい時間を過ごしてる。 けれど趣味の話や、夢の話をすると、みんな苦笑いして距離をとってくる。 今時の若い人は夢がなくていけないなぁ。
/79ページ

最初のコメントを投稿しよう!

41人が本棚に入れています
本棚に追加