トイレットペーパー・レクイエム

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青年は私の傍まで来て、 「あの、大丈夫ですか…」 と言う。 私は息を止める様にして何度か頷く。 そして自然にお尻に力が入る。 人前で漏らす訳にはいかない…。 本当にこの町で生きていけなくなる。 私は多分涙目だったと思う。 さっきより顔に当たる風が冷たい気がした。 「救急車呼びましょうか」 止めて…。 救急車の中で大惨事が起きてしまう…。 救急車が来るまで多分持たないし…。 私は、力を振り絞って。 「大丈夫です…。ありが…とう…ござい…ます」 とその青年に微笑んだ。いや、微笑んではいない。 青白く引き攣った表情だったに違いない。
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