第五章 初デートで縮まる距離は確実に

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 案の定、光子さんから連絡を受けたという女性店員が、事情も聞いているらしく私に似合うドレスをいくつか見繕ってくれる。こうなると私はされるがままだ。  奥のフィッティングルームに連れていかれ、渡される服をおとなしく着ていく。久弥さんに確認をとりながら、可愛いAラインのピンクのドレスや体のラインにぴったりと添った大人っぽい深紅のドレスなどを試着し、まさに着せ替え人形だ。  最終的には、袖があり大きめのレースがあしらわれているネイビーのドレスを選ぶ。プリーツタイプのスカートは長さもあり、可愛らしさと華やかさを併せ持っている。  久弥さんにもよく似合っていると褒められ安堵したのも束の間、今度は服に合う靴、鞄、アクセサリーの調達にかかり始める。  正直、目が回りそうだ。これはもうプロにお任せするしかないと腹をくくり、久弥さんの隣に並ぶのにふさわしい装いになるようあれこれ選んでもらう。  やっとお会計となり胸を撫で下ろしたのも束の間、支払いをさせてもらえなかったのは誤算だった。着てきた服に私が着替えている間に久弥さんがさっさとカードで支払いを済ませてしまっていたらしい。  その場ではお礼だけで済ませたが、お店を出てから私は自分が支払うと主張する。 「久弥さん、さすがに全部買っていただくわけにはいきませんよ」  当日の衣装だけだと思っていたが、普段使いできるコーディネートとしてあれこれ他にもまとめてもらっていたからなおさらだ。
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