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一人の時間
金曜日の一人の時間
私はテレビもラジオもつけない
しんと静まり返ったリビングで
庭の梅を眺めながら 熱い紅茶を片手に小説を読む
デジタルの本も買ってはいる
でも せっかくの静けさの中で読む時には紙の本で
ホウッと一息ついて 小説のクライマックスに入ろうとしたとき
「ただいまぁ」
あぁ
「おかえりなさ~い」
静けさは破られた
これで来週子供が学校にいくまでは私には静けさは訪れない
夜子供が寝てしまっても 夫が寝てしまっても
自分以外の人間が家にいるので 静けさはない
気持ちの問題なのかしら
人の気配があると既に静かではない
来週のお昼過ぎに また静けさの中で
ゆっくりと小説を読める時間を幸福と共に幸福と共に
ゆっくりとみんなと一緒の時間をかみしめながら
待つ
【了】
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