冷たい女神たち<アグネス編> file-NO.1

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アグネスは、湖に浮かぶデッドボディに向かって小さくつぶやいた。”わたしも愛していた”。”でも今も、あの頃も、それどころじゃないの”。そうして彼女は、探偵事務所の親分、チャーチル氏の戸棚からこっそり盗んできたプレイボーイ誌に目を落とした。”いまの若いコったら、こんな風なブラジャーをつけているのね” 小鳥が水面を叩き、浮かんでいるデッドボディの背中に乗っかってさえずった。透明な液体が、眩しく陽に揺れた。アグネスは顔を上げ、そのデッドボディに、言った。
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