デスゲームは終わっていた。

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デスゲームは終わっていた。

 告白、と言った時人は何を思い浮かべるだろうか。  好きな人に、付き合ってください!と想いを伝える告白。  もしくは、何か重大な罪の告白。  あまり本を読まない私が思いつくのは、大体その二つくらいなもの。だから。 「明日は、緊急で全体朝礼があります」  朝倉先生がそんなことを言い出した時、私も含めたクラスのみんなが首を傾げたのだった。 「校長先生から、大事なお話があります。皆さんに、告白したいことがあるのだそうです。明日は絶対に遅刻しないで学校に来てください。明日だけは、ちょっと具合が悪くても朝は学校に来てくださいね。よろしくお願いいたします」 ――え、え?何もそこまで?  具合が悪くても、朝だけでもいいから来いってどういうこと?とみんながざわついていた。いつも穏やかで優しい朝倉先生らしくもない。ナチュラルメイクが美しい、まだ年若い彼女は。この日は妙に、顔色が悪く見えたのだった。  そこまでして、生徒全員に聞かせなければいけない“告白”とは、一体何だろう?  誰もがその内容を予想できずにいたのだった。
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