《座談会》28歳の会

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《座談会》28歳の会

《参加メンバー》 ・『運命のひと』・・・榛名暁哉 ・『雨宮卯月は腐男子である』・・・南條志信 ・『ある日突然新人看護師の教育係になりました』・・・大谷勇気 「えっと……このギャラリーに来い、って言われたけど……場所、本当にここで合ってるのかな?」 《ぎゃらりいの前でたたずむ榛名。やや警戒しながら入室する》 「あっ、榛名主任……! お疲れ様ですっ」 「大谷君! 君も呼ばれたんだね」 《知り合いの顔を発見し、明らかに安堵する榛名&大谷。榛名はぎゃらりぃの真ん中に一つだけある、丸い座卓の空いている席に座った》 「なんだ、そっちの二人は知り合いかよ」 「あっハイ。同じ病院の同僚です。えっと、貴方は……」 「とある公立高校の化学教師だ」 「はあ」 「「(何故化学の先生がここに……)」」 《集合したところで主旨を説明。世界線は違えど同じ28歳、今から座談会を開くので仲良くお話してください》 「──は? お前ら28歳なの? ウソだろ!? そっちの榛名? はまだ大学生みたいな顔してるし、逆に大谷は絶対年上だと思ったぞ!」 「し、失礼だな……初対面なのになんなの? ええと南條さん、いや、南條君?」 「そうだ、君は本当に教師なのか? 白衣着てるからそれっぽいけど……」 「うっせぇな、俺は恋人と恋人の家族の前でしか猫被んねぇんだよ! ──あ、でも榛名はわりと俺好みの平凡顔だな」 「は?」 「どうだ、俺と一晩だけ寝てみないか?」 「……俺の恋人に腎臓を片方もしくは両方取られる覚悟があるのなら、試してみる?」 「こわっっ! お前の恋人は闇ブローカーか殺し屋かよ!?」 「医者だけど……」 「えっ、榛名主任、ドクターと付き合ってるんですか? うちの病院の?」 「え? ──あっ!! どうしよう、同僚にバレた……これはもう病院を辞めるしかない……うぅ……」 「は? お前メンドクセー性格してんな。脅して口止めすりゃいいだろが。部下なんだろ?」 「部下じゃない! 後輩! 脅して口止めとか何!?」 《このぎゃらりぃを出れば、ここで話した記憶は全て消去されるので安心して話してください》 「え、そうなの? 良かった」 「榛名主任、こんなことで辞めないでくださいよ! 職場恋愛くらい別にいいじゃないですか、俺だって光さんと付き合ってますし……!!」 「えっ、そうなの!? 大谷君と三澄君が!? へぇ~~!!」 「おい、お前ら。俺にわかんねー話してんじゃねぇよ。でも一体いつまで何を話せばいいんだろうな。安心してっけど、ここ出たら記憶無くなるとか普通に怖すぎだろ」 《お遊びなのであまり深く考えないように。お互いの恋人の惚気でもしてください》 「はぁー? ったく……じゃあ俺からな。俺の恋人は雨宮卯月つって、ちょっとオタクだけど超可愛い高校二年生で……」 「は!? 南條君未成年と付き合ってんの!? 犯罪じゃん!!」 「28歳が17歳と付き合っていいと思ってるのか!? いくら好きでも大人の方が我慢すべきだろ、そこは!!」 「うっせーな、別にいいだろ。こっちの世界はお前らんとこと違ってギャグの世界なんだよ。要するになんでも有りなんだ」 「な、何それ……ちょっと興味あるな……」 「榛名主任、しっかりしてください! ギャグの世界ってことは、人を死ぬほど殴っても死なないところですよ!!」 「よく知ってんじゃねーか、まあそういう事だから未成年だろーとなんだろーといいんだよ。可愛いぞ~、俺の卯月は」 「そりゃ可愛いだろ、17歳は。まだコドモじゃん。まじ最低な大人」 「17歳は生きてるだけで可愛い、尊い」 「……お前らの恋人はどうなんだよ、可愛いのか? まあ榛名はネコかな」 「ま、まあそうだけど……。俺の恋人はめちゃくちゃカッコイイよ。ちょっと意地悪だけど俺限定だし、完璧人間かと思えば料理の腕は壊滅的だし、遊び人かと思えばめちゃくちゃ一途でピュアだし……」 「それ、カッコイイか? カッコイイの定義がよくわかんねーな。しかも闇医者だろ?」 「闇医者じゃなくてふつーの外科医だよ。さっきのは冗談だからな」 「……榛名主任の恋人って、もしかして時々透析室に助っ人に来てるあの超イケメンの先生ですか?」 「うん、そう。霧咲先生」 「へぇ~、なんだかお似合いですね。あ、俺の光さんももちろん可愛いですよ。歳のわりに世間知らずで純粋で……あ、いや、エロ方面は全然純粋じゃないんですけど、いや、うーん……」 「なんだよ、ヤリマンなのか?」 「ちょ、下品だな! そっちも後輩なんだからそんなふうに言うなよ!」 「うっせーな榛名。お前はいちいち過剰反応なんだよ」 「待って、俺が初めての相手だったし! ただ、アナニーが趣味だからか後ろも慣れてて、最初俺もセフレがいるのかなって勘違いしたけど……いなかったし」 「なんだそれ、処女でエロいとか最高だな。うちの卯月も耳年増だけど」 「いやホントに最高なんだよ、光さんは……4つも年下だけど先輩だし……」 「大谷君の惚気聞くのって新鮮だな~。でもここを出たら忘れちゃうのかぁ、それもちょっと残念だなぁ」 「今のうちに思い切り惚気ましょうよ、榛名主任! 主任とこんなふうに話すことって普段はなかなかないですし、惚気ももっと聞きたいです!」 「そ、そうだね。でも普段惚気けることってそんなにないから難しいな……」 「それはまあ、俺もだな」 「ですね……」 《あまり盛り上がらない座談会。大谷が気を使って話題を投げる》 「えっと、俺たち30目前だけど、結婚とかうるさく言われたりしない……ですか?」 「うちはもう両親にカミングアウトしてるし、いずれ誠人さんと結婚する予定だよ」 「俺もカミングアウトはとうの昔にしてて実家は勘当状態だし、卯月には絶対に俺の嫁になってもらう予定だな」 「……本人に意思確認はしてるの? 彼の家族はどう思ってるのかな」 「あっちの家族の方が、俺が引くくらい結婚にノリ気なんだよ」 「……!?」 「そうなんだ……二人とも凄いなぁ。俺はまだカミングアウトもできてないし、将来どうしたいとか考えてないです……仕事覚えるのにいっぱいいっぱいで」 「何お前、新人? 今まで何やってたんだよ、フリーターか?」 「自衛隊員だったけど……」 「はあー!? まじかよさっきからちょいちょい下に見ててゴメンナサイ!!」 「南條君、態度変わりすぎじゃない?」 「うるせぇな、よく見たらガタイやべぇし、キレたら絶対ヤバイタイプだぞ……」 「大谷君はそんな子じゃありません」 「しゅ、主任……ありがとうございます。でも同い年なのに子って、なんかくすぐったいですね」 「あっ、ご、ごめん! ついナース一年生だから可愛いなって思っちゃって……」 「いやいや、嬉しいです」 「なーこれいつまで続くんだ? ていうかタバコ吸っていい?」 「全席禁煙って書いてるよ」 「マジかようぜぇ……」 「南條君てほんとに教師?」 「教師だっつーの。まあ元々は大学勤めっつーか、教職に付いたのはここ2年くらいだけどな」 「なるほど……」 「納得……」 「お前らもなかなか失礼じゃね?」 《これ以上はあまり盛り上がらないようなので、これにて解散します。ありがとうございました》 「おっ、やっと帰れる! 俺のキャワイイ卯月が待ってる世界にな」 「ねえねえ南條君、ほんとにそっちの世界ってなんでも有りなの? 人刺しても死んだりしないの?」 「俺は神じゃねぇからほんとかどうかは知らねぇよ……可愛い顔して過激派か、お前は」 「聞いてみただけだよ」 「榛名主任、異世界転生は色々大変ですよ……たぶん。魔法覚えたりとか」 「異世界てほどでもねーよ、同じ日本だし、世界線が違うだけだっつの」 「なーんだ」 「なーんだじゃねぇわ……お前ら二人とも天然か? なんか疲れる」 「俺はまあまあ楽しかったよ?」 「俺もです」 「最後に素直はヤメロ!!」 《28歳の会、おわり》 こんな感じで、また他のキャラ同士も絡ませて行きたいと思います。 作者だけが楽しい(⌒▽⌒) 絡ませて欲しいキャラリク及び、キャラに質問とかあったら気軽にコメント欄からどうぞ。
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